2024年1月15日、11/7に開催された2024年3月期第2四半期決算説明会の質疑応答が公開された。
説明会概要は以下。
2023年11月7日開催 第2四半期決算説明会概要
スクエニ2024年2Qまでの発売タイトル
●『FF16』
●『FFピクセルリマスター』シリーズ
●『DQチャンピオンズ』
●『インフィニティストラッシュ DQダイの大冒険』
●『FF7EC』
FF16の売上について
Q. 当第 2 四半期累計実績は期初計画に対し、想定通りの進捗といった認識か?
A. 想定通りである。「FINAL FANTASY XVI」に関しては、18 カ月間で売上を最大化すべく、ダウンロードコンテンツ、PC版の投入を最適なタイミングで行っていく。
期初計画に対する進捗率の質問であり、厳密には『FF16』の売上についての質問ではないが、『FF16』の売上を主題として回答が行われている。
2Q決算においては期初計画の売上高3600億に対して47.8%、営業利益550億円に対して31.5%という状況であるものの「想定通り」であるとの回答。
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『FF16』については2023/6/22発売、2023/6/28に300万本突破以降は売上に関する発表はないものの、定期的にセール対象となっており、2023/12/8には第一弾DLC配信、2024年春には第二弾DLCとPC版の配信予定となっており、「想定通り」との言葉から売り上げは順調に積みあがっているものと思われる。
営業利益の進捗について
Q. 2024 年 2 月に発売予定の「FINAL FANTASY VII REBIRTH」において相応の利益貢献を見込んでいるか?また、下期における利益の積み上げ要素を教えてほしい。
A. 通期業績目標である営業利益 550 億円の達成には、「FINAL FANTASY VII REBIRTH」の販売動向が最も大きな変動要因になると考えている。当タイトルに関しては、前評判も高く、第 4 四半期(以下、4Q)で相応の収益貢献を期待したい。また、9 月にローンチした「FINAL FANTASY VII EVERCRISIS」についても、「FINAL FANTASY VII REBIRTH」との連携やハーフ・アニバーサリー等のイベント実施により、4Q は HD ゲームだけでなく、スマートデバイス・PC ブラウザ等でも相応の収益貢献を見込めるのではないかと考えている。
MMO については 2024 年 1 月に「FINAL FANTASY XIV」のファンフェスティバルが東京ドームで実施され、2024 年夏に投入される「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー」に向けた期待感が徐々に醸成されることにより、4Q 以降のパフォーマンスに結びつくことを期待している。
前述の通り、上期での営業利益に対する進捗率は約30%であり、下期で巻き返せるのかという質問である。
第1四半期では79%減益という状況でもあったため、当然の心配である。
やはり最も影響が大きいのは『FF7リバース』であるとのことだが、「前評判も高く」とのことから『FF16』以上の売上を見込んでいる可能性がある。
質疑応答ではないものの、「『FF7EC』リリース直後の9月及び10月のパフォーマンスには満足」との発言や先日実施されたゲーム史上初の東京ドームイベントを行った『FF14』の拡張にも期待しているとのこと。
現時点では過去最高レベルの営業利益550億は達成できると見込んでいるようだ。
『ダイ大』について
Q. 新作の「インフィニティ ストラッシュ ドラゴンクエスト ダイの大冒険」に関して、市場での評価は厳しい印象だが、社内での評価は?開発において、プロダクトアウトからマーケットインの思考にシフトすると言及されていたが、今後はマーケットやユーザーの期待値との乖離が縮まることで、クオリティの改善は期待できるのか?
A. 「インフィニティストラッシュ ドラゴンクエスト ダイの大冒険」に関しては、お客様から厳しい声を頂戴しており、社内でも課題認識を持っている。また、アニメの放送とゲームの発売時期のずれや、お客様がコンテンツに期待する点と当社がセールスポイントとして注力したゲーム要素に乖離があったことも影響したのではないかと考えている。開発におけるプロダクトアウトからマーケットインへのシフトに関して、スマートデバイスは既に具体的な取り組みとして、お客様に事前に遊んでいただいた際のフィードバックを開発プロセスに組み込んでいる。また開発初期段階の HD ゲームにおいても、お客様の意見を取り入れられるような仕組みづくりに取り組んでいる。
メタスコアやSteam評価の低かった『ダイ大』についての質問である。
スクエニとしても課題であるとの認識であった。
「プロダクトアウト」とは企業の商品を提案する、「マーケットイン」は市場調査によりユーザーのニーズに合った商品を届けるという違いがある。
『ダイ大』は単に原作再現のバトルがほとんどというゲーム性であり、RPG的な大冒険を求めるユーザーの期待と剥離していたことが問題であったが、スクエニとしても理解できた様子。
今後はHDゲームの初期段階でも体験版やCBTのようなことが行われることが増えていくのだろうか。
クロスメディア展開について
Q. 「ファイナルファンタジー」シリーズについて、現状「FINAL FANTASY XVI」まで発売されているが、今まで当シリーズを遊んだことがないゲームユーザーは、エントリーバリアを感じているのでは?今後ファンベースを増やすために、他社が取り組んでいる映像化といった多面展開に関してどう考えているか?
A. 多面展開に関しては、前向きに考えている。さらなる収益源の多様化として「ファイナルファンタジー」シリーズでもクロスメディア展開を検討したい。「ファイナルファンタジー」シリーズだけに限らず、当社のフランチャイズを幅広い年齢層かつ、グローバルに訴求できるような多面展開であれば、積極的に取り組みたいと考えており、次期中計経営計画にも具体的な施策を取り入れたい。
『FF』シリーズが16までナンバリングが続いているため新規が入りにくいのではというもっともな質問である。
近年、『DQ』の映画化や『ニーアオートマタ』『聖剣LoM』のアニメ化などが行われていたが、『FF』シリーズでも同様の展開を検討するとのことだ。
他社においては『マリオ』の映画化や『サイバーパンク2077』のアニメ化により、ゲームと共に成功している様子だが、スクエニもクロスメディアに前向きということは効果が出ているのかもしれない。
一言
『FF15』ではクロスメディア展開しまくってゲーム本編だけじゃ不十分になってたからクロスメディアやるなら『ニーアオートマタ』のアニメみたいにゲーム本編をベースに映像化してくれ